- KOTUN の食器、カトラリーを作るための木について -
原木の直径から作れるお皿の大きさ


板目材

柾目材
1、KOTUNのお皿を製作するための木の材料とは?
KOTUNのお皿の木の幅は大体24㎝ほどあるのですが、この大きさのお皿を作るためには25㎝の幅がないと作れません。これは削っていくのでちょっと大きめの材料を考えなければならないためです.
つまり、丸太の状態で木の直径が25㎝以上ないとダメなんです。そして一本の丸太からお皿用の薄い板を作るためにはノコギリで何回も切ることになりますが、切れば切るほど切断で消えてなくなってしまう量も増えてしまいます。そのためできるだけ木を大切に使おうと思うと、大きい木は厚く製材するのがセオリーになるのです。
木は何年もかけて大きくなる貴重なものですから、大きな丸太を小さく細切れにしていくことは非常にもったいないことです。だからこそ小さい部材は小さい丸太から、幅が広くて厚みのある部材は大きな丸太から、が大切。
そう考えると、KOTUNで使用する薄くて幅が広い材料というはとても贅沢で、いつでも作れるわけではない。材料を探し、手に入った分だけお皿を作れて、逆になくなったら今度はいつ作れるかわからない。そんな風な事情ですから、気長にお付き合頂けると嬉しいです。
2.木目の違いとは?
木というのは、材料の取り方でその木目の表情が変わります。
板目:波打つような表情になります、
柾目:まっすぐと通った表情になります。
柾目材というものは最初の絵の通り、板目材の半分の幅でしか取れません。すなわち幅が広い柾目材はとても大きな木でしか取れませんし、その量も少ないのです。そうなると貴重な材料となり価格も高くなります。しかも木目が通っているということは反りやねじれが生じる可能性が低くなるんですね。まさに良いところだらけだと思いますが、じゃあ板目材は柾目材に比べて劣っているかというと?そんなことはないんです。たしかに板目材は反ったりする可能性は高いですが、板目でしか現れない木目の表情があるわけですから。板目材と比べると柾目材はただまっすぐの木目で退屈だなーとも思うわけです。どちらにもマイナスに見える部分があって、どちらにも魅力がある。だからこそ、どこに魅力を感じ選ぶかはその人次第。どちらが良いということはありませんので、自分にとってどちらが魅力的なのか楽しんで選んでみて下さい!
左:板目材 右:柾目材


◯ブラックチェリー アメリカ産
経年変化:はじめは明るい色味で、徐々に濃くなっていきます。半年ほどで色は大分濃くなりますので、明るい色味の時間の方が短いくらいです。
色味:原木によって色味は様々で、最初の色味はかなり個体差があります。薄いオレンジ色や、ほとんど黄色に近いものもあれば、初めから茶色っぽいものもあります。とても鮮やかなオレンジ色の物もありますが、全て経年変化によって色は変わりますので、結局は色味は変わるものだと、こだわらず選んで頂きたいと思いますw
香り:最初から香りはほとんどないと言ってよいと思います。
切ったり削ったりすると、桜の葉を塩漬けにした時に香る、あの桜餅の香りがほんのりしますがこの香りは製作者の特権ですねw
その他:チェリー材独特の表情としては、ガムスポットと呼ばれる、樹液の溜まった痕が黒くなった部分があります。これはチェリー材独特の表情ですので悪いものではありません!
その他にもの薄く筋のように表情に出てきたりもしますが、下記にて写真つきでご紹介してますので、一度ご確認ください。

○ハードメープル アメリカ産
経年変化:白くスッキリとした清楚なイメージの色味から、飴色になることで有名な木。
手入れするほどに美しく飴色になる変化は、糖分=メープルシロップが酸化することにより起きるそうです。
色味:清楚な白い色味でものによってはどことなくピンクがかっていたり、黄色みがかっていたりとこちらもやはり千差万別です。
香り:最初から香りはほとんどないと言っていいくらいです。こちらも削ってる時は匂いがあるのですが、個人的にはなんとも穀物っぽい匂いだと感じていますw
その他:メープルは白い色が特徴ですが、白いがゆえに色移りがわかります。チェリー材やウォールナット材も色移りはしますが、特に目立つのがメープルです。特にカレーは部分的にかなり黄色くなってしまうのでご注意下さい。あとはイチゴなんかも赤い色がついたりした経験がありますので、どんな料理を盛り付けるかは要注意です。ですが、イチゴの赤色は自然となくなりましたし、長く使っていくとだんだん馴染んでいくのも確かです。あまり神経質にならなくてもいいかもしれませんが、そこは自己判断でお願いしますw
最後にもう一つ大きなポイントはメープルは反りやすい。そこだけお覚悟を!!w

○ウォールナット アメリカ産
経年変化:初めは紫がかった褐色ですが、徐々に赤みを帯びていき、少し色味が薄くなる印象です。チェリー材とメープル材は色が濃くなりますが、ウォールナットは反対に薄くなっていくのが特徴です。
色味:青紫色っぽい褐色か、茶色に近い色が基本です。ですが、その中にもやはり色の違いはあるので、色味や濃さ、薄かったり濃かったりと表情はやはり千差万別です。
香り:ウォールナットは結構香りがあります。使い初めは、食事をしながらでもウォールナットの香りがしてしまうのが正直なところですので、気になる人は気になります。もちろんしばらく使い続けていくと香りは薄くなっていくので、独特で上品な色味とのバランスでどのようにウォールナットを評価するかはそれぞれですね。
香り自体はちょっと甘い香りというか、でも個人的にはウォールナットの香りはウォールナットの香りとしか表現できませんw
その他:ウォールナットは辺材と呼ばれる木目の外側の部分が白い色をしています(チェリー材も辺材は色が薄くなっていてはっきり境界がわかります)。ウォールナットはその辺材の白色に移っていく境界にグラデーションがあるものもあります。ちょっと緑がかったり、オレンジや赤色が入っていたり、灰色が見えたりとすごくその色の変化が綺麗なものもあるんです。もちろん、グラデーションがないシンプルなものもありますが、材料によってかなり個性のある木です。